Baby,

ドキドキライフ ♪

ファイトクラブ

 

 

2022/03/13 

 

悪い映画ではなかったことだけが分かった。いつもこんな感じのことしかわからない。

私も殴り合いたい。私も殴り合って強くなりたい。タイラーになりたいと途中まではそう思えたが後半は全くそう思えなくて何やってんだよタイラー…となり、同一人物だと分かったときは早く自殺をしろと思った。死が全てを解決するという考えを辞めたい。(この考えを改めてくれる映画を探しています)死を解決にしようとすると足掻くのか無駄に感じて楽しめない。

 

途中まではタイラーが格好良く、殴り合いをして日々の鬱憤を晴らしていこうじゃないか!と晴れ晴れした気分だったが、途中からタイラーにうんざりしだす主人公。そういうことってある。自分が保守のためにした自己批判の癖が抜けなくて辞められなくて嫌になる感じと少し似ている。

 

この映画を見て途中まで自分の気持ちに何か変化があったのだが、タイラーと主人公が同一人物と分かってから何も分からなくなった。見る前と全く同じ状態になった。タイラー(自分)について行った結果がこれ、というのが、私はもう一人の理想的な自分をつくり出してその人間についていけば途中までの主人公のように自由に楽になれるのか、どうなのか分からなくなったので混乱した。タイラーによって主人公が堅苦しいマナーや礼儀や小綺麗なインテリアから脱して殴り合いをすることで嫌なものにFuck you!と言える強さを得たわけだが結局一人だったという何かよくわからない感じになり、映画によって今後どう行動していくかのお手本を探している身としては私は何をすべきなのかよく分からなくなった。そもそも私はミステリーや推理系、最後のとんでん返し系が好きではない。映画で頭を使いたくないしすらすらと疑問を持たずに映画を見たいし、驚きを映画に求めていない。明確に理由は分からないが推理小説を娯楽として楽しめない。私は映画に自分の解決のヒントを求めている。

 

タイラーは手の甲に薬品を乗せて火傷し激しい痛みを感じることを生きていると言う。瞑想をし痛みを別のところへ移動させようとする主人公を叩き痛みを意識させる。生きてることを意識させる。痛み=生というのはなんとなくわかる。わざと自分を傷める行為、例えばリストカットを私はしたことがあるけど、それは生きてることを実感するためだったのかというと全く違う。精神的な痛みを自分の腕を傷つけることで可視化したかったからだが、この映画を見て生きてる実感を得るためにリストカットする人間の気持ちが多少分かった。主人公がタイラーに手を抑えられながら手の甲を傷つけているシーンで、僕はこれから自傷行為を続けていくべきなのかどうなのかとすこし考えたが、生きてる実感とかいう私が一度も失ったことがないものを失って途方にくれたらやってみてもいいと思うし、痛みを可視化したいときには今まで通り自傷行為すれば良いというつまらない当たり前の結論になった。

 

この映画が僕にとってとても良い映画だったと言えない理由のもう一つに、僕はインテリアが大好きだということがあると思う。主人公の部屋を見て素敵だなと思ったし、北欧家具の奴隷になること、私にはそれこそが生きている喜びなのだ。インテリアという自分の世界を作り上げていくものと、殴り合いは全く違う。殴りあい、痛いし。私は特別気がおかしなことになったとき以外は殴り合いをしたい思わないし、犯罪をしたい気分にもならない。今は犯罪めんどくさいの気分。でもビルが爆破されてるのを見るのは楽しかった。

 

いい台詞:

・神の胸に抱かれるのもこういう気分なのか

 その胸を持っている人間が男の時にこの台詞が出てきた。神は性別が無い方がいいなと私は思っているので、胸の大きい男を神と言い表すのは良いことだと思った。

 

・(薬を1瓶飲んだ後)眠ったらそのまま死んでしまうわ 一晩中寝かさないで

 素敵だなと思った。マーラは強そうなのに弱くて好きだ。この映画が好きな人間もこういう気持ちなのかも。タイラーに憧れていた主人公が結局同一人物だったことで、強くて弱い人間を自分と重ねてこうなりたいと思うからいい映画だったと思うのかもしれない。主人公が男だったので、男が憧れるものに私は憧れなかった。だから感情移入できなかった。

 

・(金髪の男をボコボコにして)美しいものを壊してやる

 私も美しいものを壊したいと思う。美しいものは壊れるともっと美しくなる。

 

describe death を・死の実況放送をしようか?

と訳すところ 

・世界の中の静かな真ん中だ、を嵐の中の静かな中心と訳すところ

この英文で台風の目が出てくるのがすごい 英訳の仕方が素敵だった。

 

この映画から:

自分の理想像を固めて行動していきたい(程度がある)

 

 

おわり